IICAのICの現場2
プロもうなる新しい発見。幅広く活躍されているインテリアコーディネーターの現場を取材しました。
   |連 載|第3回<完結扁!> (前回までのリポートを見る
Vol.4 西村恵美子(にしむら えみこ)さん
<家が出来るまでを連載でご紹介していきます>
住宅のコーディネート事例拝見。
◎インテリアコ−ディネ−ト事例紹介・・完結扁!
(金沢市内M邸新築工事のインテリアコ−ディネ−ト例をご紹介します。)

●3月末の見学会は、おかげさまでたくさんのご来場があり、いろいろなご意見ご感想を お聞きすることができました。ありがとうございました。それでは、お施主様のご夫婦が特にお気に入りの場所であるリビングを中心に、完成したM邸をご紹介いたします。

 

(←写真)ガルバリウム鋼鈑と塗り壁を組み合わせたモダンな外観です。


●2階にあるLDK。全体的にとても落ち着いた、明るくナチュラルな雰囲気に仕上がっています。 床はナラ無垢フローリング、柱は県内産のスギ(一部ヒノキ化粧柱)、梁はベイ松あらわしで、木の特性を生かした開放的な造りになっています。また、壁は調湿作用のある珪藻土塗と、自然素材をふんだんに使用しており、部屋の空気も爽やかです。キッチンの床は耐水性を考慮して300角タイルが貼られています。
そして、この部屋にぴったりのダイニングテーブルは、お父様からのプレゼント。 天板はセンの一枚板を使ったもので、月日と共に味わい深くなりそうです。リビングの照明は、室内のイメージを邪魔しないようスポットライトとダウンライトで構成され、全て電球色で温かな空間を演出しています。


●ご主人手造りの食器棚の間には、奥様手作りのカーテンが。小鳥柄の刺繍が施され、窓面が可愛らしい雰囲気に仕上がっています。

●キッチンの上はロフトスペースになっていて吹抜け空間へ光のシャワーが降りそそぐようになっています。

●キッチンのシンク下はオープンになっていて、ゴミ箱等を入れたり、椅子に腰掛けて作業するのにも便利です。また、その奥にはシーガルフォー社製の浄水器本体が入っています。カラン1つで浄水と原水の切り替えができるので、カウンターの上もすっきり。照明はルイスポールセン社製のペンダントライトです。

●南側に開かれた大きな掃出し窓からは、バルコニーに 出られるようになっており、晴れた日には太陽の光があふれます。夕暮れ時、照明を点すと白熱灯のあかりで温かな雰囲気に。カーテンは麻の入った生地で、壁になじむオフホワイト色。
●このカウンターも、ご主人の力作。
パソコンを置いたり、ちょっとした家事コーナーにもなります。
●リビングが2階にあるため、リモコンで1階玄関ドアの鍵を開閉できるようにしました。

●1階の寝室の隣にある、洗面カウンター。目が覚めて、すぐに身だしなみを整えられます。 白の洗面ボールと水色のモザイクタイルが、女性らしくとてもキュートなコーディネートです。

 

●お施主様にインタビュー

:こちらに引っ越してから3ヶ月。実際にお住まいされた感想はいかがですか?

:とても快適に、毎日楽しく暮らしています。特に気に入っているのは、LDKの空間、珪藻土の壁、あとは、ゆったりとした階段です。                    


2004.6.30撮影

●LDKは、とても明るく開放感があり、やはり2階にしてよかったと思いました。ただ、この季節、2階は暑いですね。1階と比べて体感温度3度は違います。あと、ボイラーリモコンを1階の洗面所にも付ければよかったなぁと思いました。それと、キッチンの床をタイルにしたのですが、うっかり一升瓶を倒して割ってしまったことがあって。やっぱり、フローリングよりは、気をつけないといけませんね。キッチンの壁のタイルの目地は、汚れがつきにくいものにしたので、 思ったよりも、お手入れが楽でよかったです。  

:ICにどんなことを相談されましたか?

:内装材、外装材共に、材質や機能、色合わせなどについて相談しました。すぐに現物サンプル等を用意してきて、打合せできたのがよかったです。いろいろ迷った時に、答えを決めてもらいました。

*ICより。
このM様邸は、ご夫婦ともに、家に対するこだわりが深く、自由な発想を持っていらっしゃったので、とても楽しい現場でした。アイディアがたくさんありすぎて、今回実現しなかったものもありますが、将来のために、あたためておくことにしましょう。私自身、この現場で、お施主様に教えていただいたこともたくさんあります。1つの事柄に対して、いろいろな角度から見てみることの大切さを学びました。これから先も末永くお付き合いいただけるよう、努力していきたいと思います。

■西村さんに聞きました

: コーディネートする時、特にどういうことを心がけていますか?

: そこに住まわれる方によく似合うよう、また長く愛着を持っていただけるように心がけています。

: 今後の目標を聞かせてください。

: ご新築のコーディネートを担当したお宅から、例えば15年後くらいに、リフォームのご依頼がいただければいいなぁと思います。その為には、日々の仕事を大切にし、新しいことも古いこともどんどん吸収していかなければならないと思っています。

: 今後、コーディネーターになろうとしている人達へメッセージ(アドバイス)をお願いします。

: 楽しい瞬間がたくさんある仕事です。夢が実現するように、お互い、がんばりましょう。

ありがとうございました。

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◇取材後記◇
心温かくて優しい印象を与える西村さん。そんな瓶子さんがコーディネートした家は、居るだけで気持ちが優しくなれるような空間に仕上がっていました。住み手の想いを汲み取り、その中に西村さんのインテリアセンスのエッセンスが加えられ、隅々まで心配りが行き届いているのを感じました。
ICにとってインテリア知識と情報はなくてはならないものですが、それ以前に、お客様の幸せ(喜び)を願う想いを大切に、一生懸命取り組む姿勢が大事であることを今回の取材を通して改めて感じました。また連載編としてお施主様、西村さんには長期に渡りご協力頂きましてありがとうございました。この場をお借りして御礼申し上げます。

 

<完>   ※取材/佐々木、掛野 


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