平成18年9月23日(土)
清々しい秋晴れの9月、秋分の日、毎年恒例の合同見学会が開催されました。
今回はICCトヤマさん主催で岐阜県飛騨古川を訪ねました。
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8:00 山岸製作所を出発
IICAからは11名が参加。今回は思いきってマイクロバスを貸切って移動。1人が2席使えるほどゆったりと座れて、長旅には ぴったりでした。
途中、国道41号線沿いの細入「道の駅 林林」で 休憩をとり、11:00すぎに合掌造りの売店がある「数河高原ドライブイン」に到着。ここでICCトヤマさんと待ち合わせ、合流しました。
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こちらは1本の木を何枚もの板にする方法を展示したもの。
よく見ると、木材にいくつもの切込みが入っていました。
今でこそ製材機で行いますが、昔はこのようにのこぎりで切っていたようです。

2階の和室は天井の梁が素晴らしく、 やさしい照明によって柔らかな雰囲気が漂っていました。
手摺も自然の素材がそのまま生かされていて、雰囲気作りに一役かっています。何といってもこの和室の障子戸から1階を見下ろした時。大きな梁が見える吹き抜けと、隣の展示部屋の通路や、1階の入口までも見渡すことができ、この建物自体の素晴らしさを感じました。

和室の隣は大工道具の展示室でした。
鉋(かんな)や墨壷、罫引(けびき)や鋸(のこ)、ノミなど、匠の技を支えた数多くの道具が展示されていました。中でも墨壷は大小さまざまで形も色々ありました。
匠の遊び心と、道具に対する愛情垣間見えました。
写真上:可愛いハート型
写真中:ねずみとかぼちゃ
写真下:小墨壷。小さな墨壷1つ1つに名前がつけられている
廊下を渡って隣の棟に行くと、いよいよお楽しみの体験コーナー。こちらでは「継手」や「仕口」、「組木」の見本を実際に手にとって組立てることができます。
まず、係員の方からの説明を受け、実際にチャレンジ!皆さん真剣に取り組んでいました。
その複雑な1つ1つの構成に匠達の高度な技術を知るところとなりました。
時間の許す限り体験を楽しみました。

材と材の接合には釘など一切使わず、全て(ほぞ)で組まれて使わず、全て(ほぞ)で組まれて中には楔(くさび)があるものもありました。
楔をはずすと組が解けて中の構造を見ることができましたとても複雑な形をしています。
分解した時とは逆の手順で組みたて、元に戻します。
組木は簡単そうに見えてかなり難しく、組立図を見ないとなかなか完成できませんでした。
もっと頭を柔らかくしなくては…

「千鳥格子」の展示と「からくり格子」の体験。
「からくり格子」は持ち上げても外れることはなく、まるでバネのように下の方が少し下がります。
 
「千鳥格子」は今から約350年程前に、飛騨高山から白川郷へとつづく峠に建てられた小さな地蔵堂の扉に使用されていました。明治の初期、地元の研究熱心な大工が幾度となく調べたが判らず、とうとう扉の片隅を壊して初めてその仕組みが解明されたそうです。
この「千鳥格子」を参考に、さらに緻密で高度な技法をもって作られたのが「からくり格子」のようです。一筋縄にはいかないのも納得です。
体験のみならず、室内に展示されている全てのものから日本古来の建築の素晴らしさがうかがえました。

細やかな手仕事の様子が伝わってくる建具と「雲」の製作工程の展示
こちらは「蟇股(かえるまた)」。呼んで字のごとく、かえるが足を広げたような形からその名が付けられたようです。この「蟇股」は日本建築、とりわけ和様建築の「中備(なかぞなえ)」のところによく見られるもののようです。
古くは奈良時代から存在し、この頃のものは上からの加重を支える構造材の役割をしていたそうです。 時代が進むにつれて、意匠的な役割を果たすようになっていったのだとか。
続いては「懸魚(げぎょ)」。神社やお寺の屋根の破風板部分に取り付けられた妻飾りのことです。
「懸魚」の語源は、「魚を懸ける」ことであり、水との関わりの深い魚を屋根に懸けることによって、「水をかける」という意味に通じています。つまり、水の代わりに魚を屋根に懸けて、火に弱い木造の建物を火災から守るために、火伏せのまじないとして取り付けられたもののようです。
中国から伝来し、本来は寺社や城の建築のみに用いられていたようですが、江戸時代に入ると、武家屋敷や庄屋のような民家にも特別に付けられることが許されるようになったそうです。その後、明治・大正期には、民家の建築を手掛けるようになった一部の宮大工が、寺院様式を民家にも取り入れ、限られた地域の民家で今日まで伝わっているようです。

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13:00〜
飛騨古川の町を自由散策
昼食後、瀬戸川と白壁土蔵街を背景に
ICCトヤマさんと
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◇三嶋和ろうそく店◇
江戸時代から続く、全国でも数少ない手作り和ろうそくのお店。NHKの連続テレビ小説 「さくら」の舞台にもなりました 。ご主人の和ろうそく作りの
実演を是非見学したかった のですが、ちょうどお昼の 食事に出かけられていたため、おかみさんが説明してくれました。
店内にはずらりとろうそくが並べられていて、中ほどにある大きなろうそくは現店主が先代と共に作った日本一大きな和ろうそくだそうです。
一般的な朱と白の和ろうそくや白に朱を混ぜたマーブル柄のものもあり、1つ1つがとても美しい和ろうそく。
ご主人の仕事場からは丁寧な手仕事の様子が伝わってきます。
原材料はハゼの木の実の搾り汁や、はちみつなどで、全て植物性の天然素材なので、ススが出にくく、風にも強いのが特徴だそうです。おかみさんの話だと、お土産に買ったは良いが、使うのがもったいなくて、ずっと飾っているというお客さんがいるとのことですが、これは良くないのだそうです。天然素材で作っているので、いわば生もの。早めに使わず放置しておくと、ススが出やすくなってしまうとか。とは言ってもやっぱり使うのがもったいないと思ってしまうのは私だけでしょうか?
◇蒲酒造場◇
「清酒 白真弓」の看板をかかげている蒲酒造場。「白真弓」というのはこの酒造場の定番商品のようです。お店の方が快く試飲させて下さいました。すっきりとした口当たりのお酒でしたが、個人
的にはにごり酒が気になっていたので、こちらもしっかりと試飲させていただき、「純米にごり酒しろ」をお土産に1つ購入しました!発泡純米酒の「じゃんぱん」という珍しいものもあり、パッケージはシャンパンのイメージでした。また、酒造場というだけあって、建物内の天井は吹抜けになっていました。店先にはしめ縄と一緒に大きな「杉玉」が掛けられていました。「杉玉」は造り酒屋の入口の上に掛けられるもので、新酒ができると新緑の「杉玉」に取り替えられるそうです。
  
◇ガラス美術館 駒◇
白壁土蔵の情緒あふれる美術館。外観も美しいのですが、中に入ってびっくり。館内にはところ狭しとガラス工芸品が並んでいました。ショーケースには器や花器、色時計や小さなランプなどが大切に展示されていました。色時計の中にはセイコー社製、大正〜昭和初期のものや明治時代のものもありました。館内の照明や、入口のステンドグラスも外からの光を受けて色鮮やかです。
◇そば祭り ・ きつね火まつり◇
この日は幸運なことに、飛騨古川の2つのお祭りが開催されており、町も賑やかでした。そば祭りは「飛騨の匠文化館」の向かい、まつり広場がメイン会場となっていました。
こちらで地元の美味しい蕎麦をいただきました。そば祭り参加のお店でそばを食べたり、協賛店に入館して、 スタンプを5つ集めると、飛騨の特産品がもれなくもらえるという「そば食べ歩きスタンプラリー」に挑戦し、見事制覇した参加者の方も!!
きつね火まつりは「五穀豊穣」や「商売繁盛」を祈願したお祭りのようです。昔話に出てくる狐の嫁入り行列を再現するそうです。
町を散策中には可愛い「狐の親子」に出会いました。まつり広場では、お祭りの始まりを控え、準備も整った様子の花嫁狐がお目見えです。
  
15:00 自由散策も終わり、飛騨古川駅の駐車場を出発。
ICCトヤマさんとはこちらでお別れし、IICA一行は金沢へ。山岸製作所さんには18:00頃到着となりました。
天候にも恵まれ、最高の散策日和となった今回の合同見学会。金沢からも少し足を延ばせば訪れることが出来ると知った飛騨古川。同じ飛騨でも高山とはまた違った情緒ある町並みに、古川特有の伝統と文化を体感することができ、とても有意義な見学会となりました。今回お世話いただきましたICCトヤマの皆様、準備の段階から当日までご支援いただいたIICA役員の皆様、本当にありがとうございました。
文:福田 写真:掛野
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