
Vol.26 高野 美穂 さん
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■会社名
株式会社 日本美装
■業務内容
インテリアコーディネーター、総務全般、広報担当としてWEB更新や広告の作成、イベント企画など
■経歴
大学では音楽を専攻、5年間ピアノ講師となるが、その後地元TV局のディレクターを9年間務めた後、実家のデザイン事務所を手伝いながらカラーコーディネートについて学び、現在の会社に転職し15年目。
■趣味
タップダンス
■好きなデザイン
柳宗理、イサム・ノグチ、深澤直人、天童木工、マルニ木工など
■座右の銘
「人生とは、自分自身が脚本を書き、主役を演じるドラマだ」(稲盛和夫)
今回は、高野さんがご担当された二物件をご紹介します。
1件目『おうちサロン ふふら Fufla』
1件目は、木造2階建ての納屋をアロマサロンに改装した物件を紹介します。
どことなく、隠れ家的な雰囲気を感じます。
アプローチにはレンガを敷き詰め、木製の可愛らしいドアが入口へと誘います。
1階は土間で、がらんどうだったため、自由な間取りが叶ったそうです。
玄関入口のドアを開けた瞬間、ふわっと、いい香りが漂い、うっとりとした気分になれます。
天井から下がったペンダント照明がおしゃれです。
改装後の1階は、手作りせっけんやハーバリューム教室のスペースとなっています。
陳列棚を受けるブラケットなどにもセンスが感じられます。
サニタリーコーナーやレストルームも新設。
とても落ち着いた雰囲気なナチュラルテイストに仕上がっています。
ここにも一つ一つの照明の選定にこだわりが感じられます。
2階は物置として使われていたらしく、1階と同じく間仕切壁がなく、広い空間だったので、そのまま天井の高さを生かし、元々見えていた梁をそのまま表し、ホワイトを基調としたナチュラルな仕上げとなっていて、とても落ち着いた空間になっています。
天井から吊り下がったシャンデリアも空間にマッチしています。
カウンセリングルームの、カーテンで仕切られた奥に施術室があります。
灯火を思わせるブラケット照明が、優しく壁を照らします。
足下には、よもぎ蒸しのできるスペースがあり、カーテンにキラキラした照明をからませ、心にくい演出がしてあります。
*** お施主様に聞きました ***
「オーナーのKさん」
Q: お客さまが感じた「高野さん」の印象を教えてください。
A: 初めてお会いしたのが、閉店ギリギリの時間にアポ無しでおじゃましたにも関わらず、無理難題の施工にもじっくりお話を聞いてくださいました。お人柄とまじめさに加え、気さくで相談しやすく、そんな中にも納得のものづくりをされるプロ根性が垣間見られ、安心してお任せできるという印象を受けました。
Q: さすが、インテリアコーディネーターだと感じたところはありますか。
A: 私の話を聞き、好みの提案はどれもこれも抜群にピッタリあてはまりました。また、サンプルと実際の感じ方の違いなど、女性の方だからこそできる繊細な提案は、さすがだと感じました。
Q: この新しいお店で、一番気に入っているところはどこですか。
A: 白を基調としたサロンなのですが、施術ルームの一面を深みのある木目調の壁紙にしてくださり、お客さまもとてもリラックスされますし、何より私自身が一番落ち着いてワクワクできる空間で、とても気に入っています。
Q: その他、一言ございましたら、お願いいたします。
A: 高野さんと日本美装さんとのご縁に感謝しております。ありがとうございました。
※Kさま、アンケートにご協力ありがとうございました。
続いて2件目は、テナントルームを改装した物件を紹介します。
2件目『パリのおかしやさん ラ・パンテュール』
外観は、庇を造り替え、また、新たにサインを貼り付けてあります。
外構イメージ図を見てください。
ほぼイメージ図通りに仕上がっていることがわかります。
サインデザイン図の上の用紙が、お施主さまがご自身で描かれたデザイン。
このデザインを元に、「Rummy」のチョコレートのイメージに(下の用紙右下の小さい丸で囲った部分)近いデザインに仕上げてほしいという要望があったそうです。
その要望に見事応えた高野さん。
さすがです!
以前に入っていた会社の内装や什器、照明などがそのまま残されていた状態から、一度スケルトン状態にして、下地から全て工事をされたそうです。
厨房やレジ廻りでの動線に無駄のないように計画され、お店の奥にはカフェコーナーも設けられていました。
本場フランス流のケーキや焼き菓子から、お味噌や加賀野菜の味がいろいろ楽しめるマカロンなどが、ショーケースや店内のテーブルに並んでいます。
内装デザインとしては、カントリーテイストな木目を、棚やカウンターなど随所にあしらい、メインの壁面や柱には、フランスを思わせる石目のタイルで仕上げてあり、それらが見事に調和し、温かみのある中にもフランス菓子屋さんの雰囲気もしっかりと出ていました。
*** お施主様に聞きました ***
Q: お客さまが感じた「高野さん」の印象を教えてください。
A: いつも明るく、監督さんや職人さんの間に入って、私達の想いを伝えてくれるありがたい存在でした。
Q: この新しいお店で、一番気に入っているところはどこですか。
A: 使いやすい動線、絵の飾ってあるカフェコーナーがとても気に入っています。
Q: その他、一言ございましたら、お願いいたします。
A: 高野さんは徳が高いので、いつも自然に人が集まるのではと思います。
※Nさま、Mさま、アンケートにご協力ありがとうございました。
ここで、高野さんのお勤めする㈱日本美装さんを、少しだけご紹介させていただきます。
なんと、会社のロゴマークは、高野さんがデザインされたものです!
他にも、お見せはできませんが、社屋の階段を上がる壁面には今まで施工された物件の数々、お施主さまとの写真などたくさん飾られ、とてもお施主様を大事にしている会社と感じました。
*** 高野さんに聞きました ***
Q: インテリアコーディネーター(以下、IC)になろうと思ったきっかけを教えてくだい。
A: 実は特になろうと思っていたわけではありませんでした。
今勤めている会社の上司から勧められたICスクールがきっかけです。
初めは教養を深めるためのお稽古気分で通っていて、資格までは必要ないと思っていましたが、試験が近づくにつれ、先生の教える姿勢に後押しされました。
Q: ICとして一番必要なことは何だと思いますか。
A: コミュニケーション力です!
お客様の気持ちに寄り添いつつ、様々な提案のキャッチボールをしながら決めて行くことが大切だと感じています。
Q: ICになる前となった後での変化はいかがですか。
A: 自分に自信が持てるようになりました。
「インテリアコーディネーター」と肩書きがつくことで、新規のお客様からのご指名がくるようになり、より緊張感を持って仕事に向かっています。
Q: コーディネートをする時に、特に気をつけていることなどを教えてください。
A: 決まったスケジュールの中で、予算管理をしながらお客様の好みを探りつつ、他の方から見ても「素敵ね!」と言われるような提案をすることです。
カーテンでも照明でも、何か一つ「ここがポイント!」という褒めポイントを作ることを意識しています。
Q: 今までの経験の中で、一番印象に残っていることは何ですか。
A: 担当させていただいたお客様の住まいが、コンテストで入賞したことです。
お客様はもちろん、社員からも喜ばれ、会社全体の提案力向上への意識が高まるきっかけとなりました。
Q: 今後、ICになる方へ一言お願いします。
A: 目新しい提案ができるように、流行に敏感になることも大切ですが、同時に長く愛されるデザインについても学ぶことも欠かしてはいけないと思います。
■取材後記
高野さんは、経歴を見てもわかる通り、元々は音楽に興味があり、今も趣味でタップダンスをされていたりと、インテリアセンスだけではなく、多彩な才能があります。
TV局のディレクターをされていたことも驚きでしたが、そういった多方面で得た経験が、コミュニケーション力や人間力を育み、今の高野さんに繋がっているのだと感じました。
ご両親を尊敬され、母親は手製のカーテンやクッションを作ったり、父親は古道具屋で購入した机をペイントしたり、DIYでいろいろな物を作っているのを見て育ったとのことで、お金をかけずに自然に暮らしを楽しむことが好きになったそうです。
そんな高野さんは、どれも温かみのある、お客さまが愛着の持てる内装を、これからもたくさんご提案していくのだろうと感じました。
今回、取材にご協力いただきましたお施主さま、そして㈱日本美装の皆さまには、とても暖かくお出迎えしていただき、この場を借りてお礼を申し上げます。
ありがとうございました。
■文章:掛野 写真:畠、高野、掛野