
Vol.22 古橋 瑛実 さん
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■ 氏名 : 古橋 瑛実
■ 会社名 : 株式会社 WAKO
■ 業務内容 : 設計、インテリアコーディネート、工事監理
■ ICへの道程 : 祖父、両親と代々建築の仕事をしていたことから、自然と建築に興味を持ち、仕事として携わるよ
うになりました。
■ 趣味 : 旅行、映画鑑賞、読書、スポーツ観戦
■ 座右の銘 : 一期一会
(「出会い」は奇跡と言っても過言ではないと思います。それゆえ、一つ一つの出会いを大事にしていきた
いです。)
今回は、古橋瑛実さんが設計・コーディネートされた2物件をご紹介します。
①M邸のご紹介
雨や雪を考慮して玄関前に風除室が設けられています。 ガラスが大きいので明るい玄関です。
玄関はパブリック用とプライベート用に分かれているので、靴や傘が乱雑に見えることはありません。
キッチンよりリビングを望む。 奥には和室があり、建具を戸袋へ引き込むと和室とリビングが一体的になります。
また、絵が大好きなお施主様のために、随所にピクチャーレールを設けています。
壁側にダウンライトを配置し、照明配灯にも工夫を持たせています。
リビングの窓にはハニカムシェードが取付けてあります。 和にも洋にも合うデザインです。
また、断面がハニカム構造なので、断熱性と遮熱性を併せもち、省エネ効果も発揮します。
子供部屋には大きな出窓があり、実際の広さ以上に広く感じます。
《M邸 古橋さんのプレゼンテーション》
M邸の建築模型。 模型は立体的にいろんな角度から眺めることができ、建物全体のイメージがつかみ易いです。
図面と模型を元に計画を進めます。
窓廻り(スクリーン、シェード等)のプレゼンボード 全体の色のバランスがわかります
☆ ☆ ☆ ★ ☆ ☆ ☆ ★ ☆ ☆ ☆ ★ ☆ ☆ ☆ ★ ☆ ☆ ☆
②T邸のご紹介
床板の端材で遊んでいる息子さん。 玄関先でハイ、ポーズ!
高天井がある開放的なLDKに薪ストーブが設置してあります。 奥には畳コーナーがあり、開放的でありながらとても暖かい和める空間になっています。
床は無垢材に自然塗料、壁や天井は天然和紙系のクロスを使用しています。
壁内の断熱材にはウールブレス(羊毛)を使用し、体に触れる部分もそうでない部分も自然素材にこだわっています。
キッチンからリビングを望む。 キッチンから玄関、洗面脱衣・浴室を望む。
キッチンからはLDも畳コーナーも見渡せます。 キッチン、洗面所、お風呂が一列に配置されているので、戸を開けると、水廻りも一直線に見渡すことができます。
視線だけでなく、動線にも回遊性をもたせ、開放性を高めています。
窓は隣の家の視線を考慮し、高さを低く抑え、障子を嵌め込んでいます。
そして、この畳はなんと電動で開閉します。 畳下には収納できるスペースがあります。
ロールスクリーンやカーテンのメカ部分はカーテンBOXに隠れ、窓廻りをスマートに演出。
ご主人の要望で出来上がったくつろぎスペース。 天井高が低いので落ち着きます。
家族みんなのくつろぎの場です。
ああ、気持ちいい!
ロフトからこんにちは!
《T邸 古橋さんのプレゼンテーション》
設計図面の数々。着色されていてとても見やすい。 T邸の建築模型。
窓廻り(カーテン・スクリーン等)のプレゼンボード
☆ ☆ ☆ お客様に聞きました ☆ ☆ ☆
Q : 古橋さんの印象をお聞かせください。
A : 第一印象はとても話しやすそうな人と感じました。 また、実際もその通りの人でした。
Q : さすがコーディネーターだと感じた部分はありますか。
A : 内装に関しては女性ならではの視点で提案してくれ、迷った時には的確なアドバイスをいただきました。
また、古橋さん自身の考えをしっかり持っていて、自分の意見をきちんと通す心強さも感じました。
Q : この家の感想をお聞かせください。
A : キッチンに立つと全てが見渡せるのでとても気に入っています。
2階ホールの団らんスペースが最初はイメージがつきませんでした。
ところが、できて見るとリビング以上に一番のお気に入りスペースになっています。
★ ★ ★ 古橋さんに聞きました ★ ★ ★
Q : インテリアコーディネーターとして、何が一番必要だと思いますか
A : 聞き上手なこと! お客様からたくさんの情報・本音を聞き出すことで、要望をより具体的な形にできるからです。
Q : コーディネーターになる前となった後で、何か変化はありましたか
A : ショップやレストランへ行くと、材料や色の組合せ、デザイン、納まり、など床から天井まで考えながら内装をチェック
するようになりました。
Q : コーディネートする時、特にどういうことに心がけていますか
A : 年月が経っても色褪せないデザインや材料使いを心がけています。
安全、使いやすさ、メンテナンス性も重要です。
色やデザインばかりが重視されがちですが、コーディネーターは本来、暮らしの提案者だと思っています。
Q : 今、あなたが注目しているものはありますか
A : 暖炉(ストーブ)です。 部屋の質がぐっと上がります。
炎を見ているだけで癒されますし非常に暖かいです。 エアコンのように風が無いので心地良いです。
Q : もっとICがICとして活躍できるようになる為に、現役ICは今後どのような事を心がけて仕事をして行くべきでしょうか
A : ICのみの仕事として区切らず、隔てなく広い範囲の視野で物事を捉え、置かれた仕事に全力を尽くすべきだと思います。
Q : 最後に、今後コーディネーターになろうとしている人達へメッセージ(アドバイス)をお願いします。
A : お客様の信頼を得られてするきめ細やかな仕事です。
一見、無駄なように見える事でも、小さな事の積み重ねで信頼も得られ、次のステップアップに繋がります。
「小さなことにこだわろう!」
《その他の物件でのプレゼンテーション》
CADによるCG内観パース
ショールームにてお施主様と打合せ
■ ■ 取材後記 ■ ■
古橋さんはインテリアコーディネーターなら誰もが憧れるフリーランスのコーディネーターです。
インテリアコーディネーターだけでなく建築士の資格も取得され、間取りの段階から施主と携わることで、設計段階からデザインも含めた計画ができ、また実務でも確認申請業務から現場監理にいたるまで、全て一人でこなされ、まさにオールラウンドプレイヤーです。
また主婦でもあり、二児の母でもある古橋さんは、女性ならではの視線とご自身の生活の経験を元に、お客様に提案することができるので、とても説得力があります。
古橋さんには今後とも、これからインテリアコーディネーターを目指している方々にとっての目標であり、希望になってほしいと感じました。
今回取材にご協力ただきましたお施主様、施工会社のリビングパートナーさんにはこの場を借りて御礼申し上げます。
ありがとうございました。
事務所エントランス 事務所にてお施主様と打合せ