Vol.21  畠 由紀 さん
Vol.21  畠 由紀 さん

Vol.21 畠 由紀さん

■氏名     畠 由紀
■会社名   (有)アンティフォン
■業務内容  オーディオルーム、シアタールームへの案内説明、設計、提案打合せ、ルームオートメーションのプロミラミング等幅広くこなすインテリアコーディネーター
■尊敬する人物  稲盛 和夫(京セラ、KDDI創業者)
■好きな建物  パリのオルセー美術館
■座右の銘  土俵の真ん中で相撲をとる 

今回は、IICA賛助会員でもあり、シアタールーム等の映像・音響空間を造り出す(有)アンティフォンで、営業兼アシスタントをされている畠さんにお話を伺いました。

「アンティフォン」ってどんな会社?
    
いい家はいい音でコーディネート!
ルーム提案に「ホームエンターテイメント要素」を取り入れることにより、お客様満足度を上げる。
ホームエンターテイメントを通じて、より豊かに暮らしていただくためにプラスアルファーのお手伝い。
プラスアルファーの住宅提案とは=「家族の時間を演出」すること。
2011年に地上デジタル放送への移行に伴い、住宅の中に大画面映像とサラウンド音声が入ってくる時代がやってきました。
「アンティフォン」は、多くのノウハウをインストールにフィードバックし、こうしたホームエンターテイメント環境の変化をルーム提案に取り入れることにより、「楽しみ、癒し、団らん、快適、そして感動」を演出し、お客様のご要望、ご予算以上の満足を届ける会社です。

     

「畠さんにインタビュー」
■ Q:この仕事に就こうと思ったきっかけを教えてください。
A:映画や音楽が好きで、生演奏のすばらしさを自宅で再現することができる、オーディオルームや臨場感溢れるシアタールームの構築に携わりたいと思ったことです。

■ Q:仕事をする時、特にどういうことを心がけていますか?
A:専門分野の知識習得は必須ですが、本物の音を知るために生演奏のオーケストラを聴きに行くようにしています。本当の音を知らなければ、オーディオで再生した音が良いかどうかわからないと考えています。

■ Q:仕事以外で趣味はありますか?
A:テニス、スキー、ダイビング、登山などです。
(とてもアクティブで多趣味なアウトドアタイプですね!)

■ Q:今、一番したいことは何ですか?
A:楽器の演奏 音楽鑑賞するばかりでなく、自分でも演奏できるようになりたいです。

■ Q:今、一番行ってみたい所はどこですか?
A:バルセロナでガウディの作品群を観て廻り、「日はまた昇る」の舞台であるパンプローナで牛追い祭りを見てみたいです。

■ Q:お薦めのお店、本、サイトなどがあれば教えてください。
A:「竹中式マトリクス勉強法」竹中平蔵著 資格試験やボリュームのある仕事をこなす時の参考になりお薦めします。モチベーション維持が必要な時、繰り返し読んでいます。

■ Q:最近のお客様の傾向を教えてください。お客様に人気のもの、またあなたが注目しているものはありますか?
A:従来の本格的オーディオ、シアター専用ルームも変わらぬ人気ですが、最近はカジュアルに家族全員で楽しめるリビングシアターを希望されるお客様が年々増えてきています。

■ Q:インテリアコーディネーターとの関わりで、どんなことをコーディネーターに期待しますか?
A:住空間の中で、音響の重要性を理解し、深めていただければと思います。

■ Q:今後、コーディネーターになろうとしている人達へメッセージ(アドバイス)をお願いいたします。
A:試験に関してですが、世界の歴史を知ることで知識が深まり、勉強するのが面白くなると思います。また、直近の情勢や商品の傾向を知るために、経済新聞がおすすめです。

■ Q:今後の目標を聞かせてください。
A:音楽のある生活を希望されるお客様の思いをよく理解し、それを実現するための最適なご提案ができるように、知識も含めコミュニケーション能力を高めていきたいです。

「施工事例紹介」
M邸 ハイエンドオーディオ&シアター「ネットワークオーディオ」


① JBLフラッグシップスピーカー エベレストDD66000にKEFアクティブサブウーハーMODEL209を追加し、4Wayフルアクティブで駆動するシステムです。


② エレクトロニクスはスイス ゴールドムンドのユニバーサルプレーヤー プリ&パワーアンプにLINN クライマックスDSを加え、ストリーミング再生を追加しました。 ネットワークHDDに貯めたミュージックライブラリーから自由自在に好みの楽曲を選曲したり、インターネットラジオも楽しめます。最も素晴らしい再生はハイレゾリューション(192Khz24bit) 音源を再生した時のリアルサウンドです。


③ Hi-Fiなi-podとでも申しましょうか、こちらが「ネットワーク・オーディオ」です。


④ 壁面は音響的配慮から、折り曲げて拡散効果を発揮します。その中にベースモジュールを埋込ました。


⑤ 正面から見えているベースモジュール後方のアンプ室です。左下が、SSD記憶方式のWindowsホームサーバーです。この中にCD約1000枚分の楽曲が収納され、いつでも再生出来る状態で待機しています。


⑥ ワインを楽しみながら。景観を楽しみ。音楽に浸る。素敵な空間です。

G邸 ハイエンドオーディオ&シアター「 ルームオートメーション」


① ハイエンドオーディオ スピーカー KRELL LAT-1 HALCRO のメインシステム。センター及びサラウンドスピーカーは、家具の中に収納。カラオケも出来るよう DAM通信カラオケを設置。いつも新曲が楽しめます。

   
② 音響 照明 ブラインド全てをAMXタッチパネルで制御。音楽鑑賞、盛り上がるカラオケ、映画もすべて超Hi-Fiで楽しめます。

   
③ 家具の配置にシュートした直接&間接 照明設計。

N邸 和の邸宅 3Dシアター専用ルーム&リビングルーム5.1chサラウンド 


① 1Fのリビングルーム。機器類はすべて造作家具の中にすっきり収納。


② KEF埋め込みスピーカーで5.1CHサラウンドシステム


③ 2Fのホールをシアタールームに家族全員で楽しめる空間造り。110インチスクリーン。


④ 3D映像を堪能できる高画質プロジェクターを造作棚に設置。


⑤ KEF160mm埋込みスピーカー、部屋中に相位の合ったサウンドを均等に行き渡らせます。

   
⑥ AVアンプにスピーカーケーブルを接続中。

S邸 漆黒の内装とサウンドスクリーンで、映画、ライブ映像の没入感は最高潮に!ブラックシアタールーム


① サウンドスクリーンは120インチ。照明を消すと眼前に広がるのは、プロジェクターからの上質な映像のみ。


② スクリーンを昇げた状態。フロントスピーカーには英国の名門 KEF Reference Model203/2を3本使い音色を揃えている。スピーカーへの配線はすべて床下に通しているので見た目もすっきり。部屋の各壁にはQRDを適宜配置し、部屋全体の調音を行っている。


③ システムはリアに配置。

「社長からのコメント」
   

建築の中にどのように音響を組み込むかを常に考えています。
お施主様がどこに座り、どっちを向くか、どこにTVやスピーカーを配置すればよいかなどを、間取りの検討段階から考えます。
良い音環境を作り出すには、やはり防音・防振計画が大切です。
ただし、防音・防振工事には費用がかかります。
ですが、例えば音の出る部屋の近くにお年寄りの部屋を配置しない、振動の出る部屋の下に寝室を配置しないなど、間取り段階から工夫できることはたくさんあります。
そうすることで、防音・防振にかける費用も抑えられるのです。

インテリア性との融合に関しては、できる限りオーディオ機器を目立たなせないために、容易に動かせない機器に対しては、家具や床のほうの色や材質を機器に合わせてもらいます。
建築には選択の幅がありますが、オーディオには選択できる幅が少ないからです。
その中でいかに両者を合わせていくかがポイントなのです。

そもそもオーディオ機器はどこに置くのが良いか、シアタールームとしての場所はどこが良いのでしょうか?

大抵のお客様はリビングに作ろうとします。
リビングに作れば、家族みんなで楽しめ、一家団らん、人生バラ色になると思われる方が大半です。
ところが、リビングに作ってしまうとどうなるかというと、日中はちびっ子ギャングに占領され、それならということで、子供達が寝静まってから楽しもうとすると、今度はママに、「寝られないしうるさいからやめて!」となり、結局お父さんが使えなくなってしまう失敗例もあります。
できれば大人(お父さん又はお母さん)が一人になれる場所を作ってあげることが良いと思います。
そう考えると、お客様の生活スタイルや家族構成によっても違いますが、寝室がおすすめです。
基本、寝る時には、カーテンやスクリーンも降ろしますし、そうすることで外部からの音も光も遮断できますし、どちらにしても利に適っています。

シアタールームを作るには、平均いくら位の費用がかかりますか?
新築で組み込むか、リフォーム工事かによっても違ってきますが、平均100万円~200万円代が多いでしょうか。やり方によってはそれ以下にもできますし、上を見ればキリがありません。
基本的には紹介客が多いですが、映像・音響設備お客様がのめり込みすぎてしまうと、肝心の建築やインテリアの予算を削ってしまい、紹介してくれた工務店やハウスメーカーにご迷惑をかけてしまいますので、全体予算のバランスも大事で、常に意識しています。
限られた予算の中で、いかにお客様のクオリティを下げずにご提案できるか、商売とこだわりの狭間で常に葛藤しています。
量販店と同じやり方はしたくありません。パッケージにしてほしくありません。
コストダウンにスイッチが入ると一気に楽しさが半減します。
世の中競争社会だから仕方がない部分もありますが、真に価値のあるものを知っていただきたい、お客様を真から喜ばせたい、「こだわり」があるからこそ、安易に安価なパッケージ品を提供することなく、例え高価でもご理解・ご納得していただけるように努めています。
音もインテリアです。
インテリアと同じで、部屋の快適さや心地よさを演出します。
「こういうものもあるんだ」ということを知ってもらうために、これからもポリシーとこだわりを持ってお客様に感動を与えていきたいです。

「取材後記」
(有)アンティフォンさんは、社長と畠さんのお二人で営業をされています。今回、IICAのご担当の畠さんを取材させていただきましたが、とても笑顔がチャーミングで、すぐに誰とでも親しくなれる雰囲気を持った方でした。
最近は照明コンサルタントの資格も取得され、更に新たな資格にチャレンジ中で向上心にも溢れている畠さん。
映像や音の魅力もさることながら、畠さんの優しい魅力と社長の本物にこだわる熱意もまた、アンティフォンさんの魅力だと感じました。
社屋を訪れると、数々のトロフィーが飾ってありますが、これはカーオーディオのコンテストで取った賞だそうです。家から車に至るまで、室内空間を素敵に演出する技術は、正にプロならではの仕事技だと感じました。
また、社屋の奥には実際にシアタールームを体感できる部屋があり、一度体感すると、映画館以上の臨場感で正に、生のコンサートに来ているかのような迫力と心地良い空間でした。
ぜひ、皆さまも一度お店で体感してみてください!

    

写真・文 : 掛野

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