今回は「現場監督」掛野俊介さんからのお話しです。
インテリアコーディネーターであり、建築士でもある掛野さんは、日ごろは現場監督に忙しいキャリア8年目。これから、新築をお考えの方にもぜひ、読んでいただきたい、現場からの経験談をお寄せいただきました。次号と2回にわたり掲載いたします。

読者の皆様からの情報もお待ちしています。
「こんなこと知りたいなぁ」など、ありましたら、ぜひご一報ください!

●NO.2:IICA:掛野 俊介
「現場監督・今までに見てきた現場での失敗談や経験談(1)」

IICA会員の掛野です。インテリアコーディネーターですが、実際の会社での肩書きは現場監督です。そのため、現場の第一線で施主とも職人とも当然お会いする機会も多く、現場の施工過程や竣工後のクレーム対応、アフターメンテナンスまでを携わってきて今年で8年目になりますが、そんな中で私が今までに見てきた現場での失敗談や経験談を紹介しようと思います。案外わかっていそうで見落とされがちな出来事です。少しでも今後の家造りの参考になれば幸いです。


<ケース1>
子供部屋のコーディネートで男の子と女の子の部屋をコーディネートすることになり、男の子の部屋は落ち着いてリラックスできるようグリーン系で、女の子の部屋は明るく暖かい雰囲気がでるようオレンジ系の色にすることに決めました。そして、壁も天井も男の子の部屋は薄いグリーンのクロス、女の子の部屋(写真)は淡いオレンジ色のクロスを選び、それに合わせてカーテンやロールスクリーンもグリーンとオレンジ色にしたら、なんと、部屋全体が同一色になりすぎて、変に落ち着かない部屋が出来てしまったのです。それ以来、部屋のベースとなる壁や天井は白やベージュ系にして、アクセントとしてカーテンやベッドリネンで色物や柄物を使用する方がすっきりと落ち着いてしっくりとした空間が出来ることに気付いたのです(和風やアジア風は別です)。


同一色になりすぎて、落ち着かない部屋

 

 

 

 

 

 

<ケース2>
リビングのある一角の入隅の壁にタイルを貼ることになり、一色だと味気ないということで二色使うことになり、上下に階段状に色分けすることに決めました。そしていざ貼りあがりを見てみると思い通りになりました。ところが、引渡し後訪れてみると、なんとその隅には大きいソファーが置かれていて、見事に下の部分に貼ったタイルが隠れてしまっていてほとんど一色しか見えてなかったのです。
二色に色分けした意味がぜんぜんありませんでした。
それ以来、初めから家具の配置も考慮したコーディネートを心がけるようになりました。


<ケース3>
純和風の外観の住宅で、窓にも格子を取り付ける設計になっている現場がありました。ところがその格子を取り付ける窓は階段ホール部分にあり、しかも風を通したいということで上げ下げ窓になっていました。しかし格子を取り付けた後で、いざクリーニングという時になって初めて、格子が邪魔で窓の外側が拭けない事に気がついたのです。
クリーニング業者はそれでも何とか屋根の上に登り、格子の隙間から拭いていきましたが、それ以来、格子を取り付ける窓は簡単に取り外しのできる引違い窓や内倒し窓がベストであることに気付いたのです。

 

<ケース4>
キッチンでI型シンクを設置する設計になっていて、冷蔵庫が向かって左側に設置する事になっていたのです。ところがいざ使用する時になって、冷蔵庫が右吊元になっていて、扉を開ける時に体をよけないといけない事に気付いたのです。そういえば日本人は右利きが多いのでほとんどの冷蔵庫は右吊元になっているのです。そのため、物の出し入れがしにくく狭いキッチンの場合は、特に注意が必要です。最近では両開きやどちら側からも扉が開く冷蔵庫も増えてきましたが、既存の冷蔵庫を使用する場合は、きちんと吊元と置く場所を確認しましょう。付け加えてキッチンの設計で見落とされがちなのが、ゴミ置きスペースです。最近ではゴミの分別も種類が多くなり、炊飯器やレンジ、ポットの置くスペースと一緒に、ゴミ置きスペースもきちんと初めに考えて置かないと、せっかくの素敵なキッチンも、後からゴミの山になってしまいます。

<・・・・・・・次号につづく・・・・・・・>

 

掛野 俊介(かけの しゅんすけ)

現在IICA書記
29歳 2児のパパ 家庭も育児も奮闘中!
千代野建設株式会社(松任市倉光)工事部工務課課長
一般住宅、店舗から土木、公共事業を手がける総合建設業の現場監督兼コーディネーター
主に住宅が得意。
住宅はインテリアだけでなく構造も間取りも住まい方もライフサイクルもそして予算も全てトータルで考えていかなければならないものであり、現場での経験を生かしたトータルコーディネートを心がけています。

 

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